~ 卒業前の夏 ~
秀輔の友が、社会に巣立つ前の最後の夏を迎えている。
野球に、ボートに、秀輔と共にあの輝いた時間を過ごした仲間。
一人、一人自分の行く先を決め、春に向けて巣立つ準備をしている。
私はあの事故からまる5年。
自分の時を止め、家族の時を止め、
気を紛らわせるように仕事をして、生活している。
秀輔の友が社会人となり、社会に巣立って行く時を見つめている。
秀輔の思いを抱いた仲間が社会人となる事は、とてもうれしい。
でも、その中に秀輔の姿を見る事が出来ない私は、
この上なく寂しく、切ない。
事故を起こした、加害者 有限会社フレイシア 中澤清憲 社長が
会社を閉めたと聞いた。
この諏訪を離れたとも聞いた。
社員を人間として尊重しようとせず、
言いがかりをつけては罵声をあびせ、
給料もきちんと払わず、
多くの元社員の方々に多大な迷惑をかけ、
裁判で訴えられ、敗訴もしていると聞いている。
いったいどこに事故を起こしたことに対する反省があるのか?
何も変わっていない。
結局、本人の反省もなく、
私達家族に対する謝罪もなく、保険会社にただこの一件を任せ、
自分をリセットするかのように、消えて行った。
加害者は最後まで誠実な態度を示すことはなかった。
今年の12月には、秀輔の7回忌が来る。
寂しくて、辛い思いはまったく変わらない。
被害者である私達家族はリセットなんて出来ない。
これからも、生涯秀輔のことを考え、思い続ける
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